一般社団法人ばいにゃこ村 代表理事
まち物語 プロジェクトディレクター 樋口 幸男

■ はじめに

私は長年、富山県で地域づくりや地域振興の活動に携わってきました。
その中で実感してきたのは、まちは「制度」や「プロジェクト」だけでは動かないということです。

まちを動かすのは、いつの時代も「人」。
地域でがんばる人の小さな挑戦、悩みながらも続けてきた取り組み、暮らしの中でふと生まれた気づき——
それら一つひとつが “まちづくりの物語” であり、未来を変える大きな力になります。

まち物語は、そうした想いや行動を映像として丁寧にすくい上げ、
誰かの背中をそっと押せる物語として届けたい。
そんな想いから始まりました。


■ まち物語が大切にしていること

まち物語は、富山県を舞台に「まちづくり」をテーマとしたショートドラマを制作するクリエイティブチームです。
2024年、富山県主催のまちづくりコンテストをきっかけに誕生しました。

地域で起きている課題、そこに向き合う地域プレイヤーの挑戦、そして日常の中にある小さなドラマを“物語”として描き、映像を通じて富山の魅力や未来の可能性を発信しています。

また、母体である まちづくり団体「ばいにゃこ村」 と連携し、ショートドラマ制作を入口に
「富山で何かに挑戦したい人」を応援する取り組みも行っています。
富山らしい言葉で言えば、私たちは“ウェルビーイングな社会”の実現を目指して活動しています。

現在は、3分以内の短尺で「物語の一場面だけを切り取る」ショートドラマを中心に制作し、身近でリアルな地域の姿を映し出しています。


■ 挑戦する人の背中を押したい

地域で何かに挑戦することは、ときに孤独で、ときに不安も伴います。
「自分にできるだろうか」
「失敗したらどうしよう」
そんな気持ちに立ち止まる人も少なくありません。

だからこそ、まち物語は 挑戦したい人たちの背中を押す存在でありたいと思っています。
そして、
「挑戦したいけれど、一歩が踏み出せない」
そんな未来をつくろうとしている方々の 相談先にもなれるプロジェクトでありたいと考えています。

物語には、人の心を動かす力があります。
その力を、富山で生きる人々の挑戦にそっと寄り添わせていきたいのです。


■ まちづくりを “誰もが関われるもの” にしたい

まち物語が生まれた原点には、一般社団法人ばいにゃこ村として掲げてきた
「富山を、もっとチャレンジしやすい場所にしたい」
という想いがあります。

富山には、素晴らしい地域資源や挑戦者たちがたくさんいます。
しかし、その想いや活動が十分に可視化されていなかったり、伝わる機会が少なかったりする現状もあります。

だからこそ、映像という“誰でも受け取れる表現”を使い、
地域の魅力や課題を分かりやすく伝え、
「自分も何かしてみたい」と思ってくれる仲間を増やしたいと考えています。


■ ショートドラマという手法を選んだ理由

現在のまち物語は、「3分以内の短尺動画」や「物語の一場面を切り取るショートドラマ」を中心に制作しています。
この形式にこだわる理由は大きく3つあります。

  1. 短い時間でも “心が動く瞬間” を届けられるため
  2. SNSで届く範囲が広く、地域の活動がより多くの人の目に触れるため
  3. 地域で頑張る人たちの想いを、生活のすき間時間に触れてもらえるため

壮大なドラマではなく、日常のひとコマの中にこそ、
その人らしさや地域の価値が詰まっていると信じているからです。


■ 最後に——富山の未来を一緒に描きましょう

富山には、まだ映像になっていない物語がたくさんあります。
そして、その物語の主人公は、どこかの誰かではなく、このまちで暮らす皆さん一人ひとりです。

あなたの想いが、次のショートドラマを生み、
そしてそのドラマが、誰かの挑戦のきっかけになる——
まち物語は、そんな循環をつくりたいと願っています。

これからも、富山の未来を一緒に描いていけたら嬉しいです。
どうぞよろしくお願いいたします。


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